2017/10/15

アウトレイジ最終章

特に観たかったわけではないが、三連休でやることもなく、武の映画ならハズレはないだろうと観にいった。

公開したばかりでほぼ毎回満員状態のようだった。

前の方の端っこに座った。


武が監督した映画は全部観ている。

(と思ったら龍三と七人の子分たちはまだ観てない)

初めて映画館で観たのはキッズリターンだった。

悪くないなとは思ったが、そんなに感心したわけでもなかった。

でも興味を持ってレンタルして過去の作品を観た。


Brother, Dolls, 座頭市あたりはワクワクして観た。

TAKESHIS'はちょっと、ン?と思ったが、さすが武だと思った。

監督ばんざい、アキレスと亀あたりになって、

もう枯れてしまったのかと感じた。


その後アウトレイジが公開されて、観にいったが、あまりいいと思わなかった。

続編が出るくらいで評判もいいようだが、

アウトレイジはあまりに人情味に欠けて私は好きではない。


さて、最終章。

全体的な雰囲気は前2作と少し違って、クールさが減り、滑稽さやグロテスクさが強くなり、さらに、私が好きな主人公が無鉄砲で破滅するストーリーなのがよかった。

Brotherと似た世界を感じた。


こないだベイビードライバーについて、主人公が強盗の手伝いをして人を殺しまでしたのに根はいい人で更生して幸せになったみたいなのが気にくわないと書いたが、

私が映画などに期待するのは今回のような結末である。

ただ、やっぱり武の映画は昔ほどわくわくできなくなった。

主人公を含め登場人物が年を取り過ぎたからだろうか。

dollsみたいにまた若い役者で撮らないのだろうか。



2017/09/12

ベイビー・ドライバー

バルト9で観た。

日曜日の3時からの回だったが混んでいて

スクリーンの近くの横っちょの席だった。


カーアクションや音楽はよかったのだが、

最後の方はしらけてしまった。


いろいろ言いたいことはあるのだが、

どうしてもこういう話では、自分が悪いことをしたんだから言い訳はできない、

ということがどうしても気になってしまう。

つまり、いろんなわけがあろうと、善良な人間であろうと、

過去に傷を負っていようと、

人を傷つけて自分や自分の親しい人々のために

人から何かを奪ったりすることは

正当化されることなどないのだと。

むしろ、自分が悪人の名を背負ってでも、

本気で誰かのために何かをするのが

本当の愛であり献身であると。

そういうのが、外国の映画には、ない。

2017/04/16

「君は1000%」

いい曲だと思うのだが
あらためて歌詞を読んでみるとなかなか不可解である。


作詞:有川正沙子

君は微笑みだけで
海辺のヴィラ 夏に変えてく

もうここでちょっとアレっとなる。
海辺のヴィラに二人で来ているのだろうが、
夏になったから来るんじゃないのか。
それに、微笑みと夏ってイメージが結びつかない。

僕のイニシャルついたシャツに着替え
何故走りだすの

海辺のヴィラに来たから楽しくて走ってるんだろ。
疑問に感じる男の方が、何故?だ。
メロディーが悲しげなのも違和感を増す。

熱い心の波打ち際へと
近づく僕の誘いかわして

誘ってかわされることを波にたとえるのはいいが、
波そのものが誘いとかわされることを表しているのだから
波打ち際へ近づくという表現がおかしい

君は1000% 欲しいよ素直な瞳で
君が見た夢なら
If you give me your heart
入り江にうかぶ物語
目を閉じたEndless Summer

ここがサビでクライマックスなのだが、
特に違和感を感じ肩透かしをくらうところだ。
タイトルにもなっている1000%は、100%の10倍くらい、
それくらい完ぺきなひと、という意味だととらえていたが、
そもそもこれはポルトガル語の100が「セン」というところから
来ているらしい。
そうすると、「1000%」と言っているようで、実は100%で、
目減りしている。

それはそんなに大きな問題ではない。
問題はそのあとだ。
男が女を欲していると思ったら、
「君が見た夢なら」という奇妙な仮定が持ち出される。
さらに、「If you give me your heart」という二つ目の仮定が。
何が夢なのか。女が男に抱かれることが夢なのか?
逆じゃないのか?
もし抱かれることが女の夢でそれを素直な瞳で見ているとしたら気持ち悪い。
男が素直な気持ちで夢見ているならまだわかる。

そして、仮定の後の結論が「入江に浮かぶ物語」。
二人が抱き合うことを言っているのだろう。
これはわからなくもないが、「目を閉じたEndless Summer」が不可解
たぶん、女または二人が目を閉じることを言っているのだと思う。
つまり、「君は完ぺきなひとなので抱きたい。もし君の気持ちを僕にくれるなら、
物語のような美しい世界となるだろう」
というようなことを言いたいのだと思うが
「見た夢」「目を閉じた」と過去形になっているのがそれを伝わりにくくしている。
「目を閉じたEndless Summer」というのは、事実を伝える思い出を語る表現だ。
仮定の後にくるフレーズではない。

君のいない時間にかけた電話
何故か言えない
「相手がいないとわかっているのにあえて電話をかけてたがそんなことをする理由は言うことができない」
という意味なのはわかるが、「何故か言えない」というフレーズは、
そういう意味よりも、「言いたいことがあるのに何故か言うことができない」
という意味で使われる。
いないのに電話をかけた理由のことであるなら、「君のいない時間に電話をかけた。それがなぜかは言えない」でなければならない。

少し勇気を出して待ち伏せした
今渚はトワイライト

二人で海辺のヴィラに来てるんじゃないのか。他にも誰かいるのか
ヴィラでたまたま出会った女だったのか。

もしも君だけ夜にまぎれても
銀の涙は僕に返して

ここも奇妙だ。君だけ夜にまぎれるとは、女と一緒になれないことであろう。
それでは、銀の涙とは?涙を流すのは誰だ?当然男だろう。
しかし、男は「僕に返して」と言っている。
男が流した涙を女が奪っていくのだろうか?
一緒になれなかったから女が去った後一人で泣くのではないのか?
その涙を誰がどうやって返すことができるのか?

君は1000%輝くハレーの雫を
その髪に散りばめ
If you give me your heart
陽射しも溶けるフォトグラフ
ここだけがBrand-New Summer

ハレーとはハレー彗星のことだそうだ。
この辺のくだりはほとんど意味のない修飾である。
そして彼女が男を愛してくれるならの仮定から
くる結果は、フォトグラフ。
フォトグラフというのはただの写真である。
別に美しいとか素晴らしいとかいう意味はない。
ただ写真をカタカナにしただけ。
陽射しが溶ける写真ってなんだ?
おそらく、彼女の姿が陽射しをもどうにかしてしまうといった
意味だろう。
でも、陽射しが溶けるって想像もできない。
なぜなら溶かすのはむしろ陽射しがすることだからだ。
「本来陽射しが溶かすはずなのにむしろキミの方がまぶしくて陽射しに勝つ」
というような意味だろうか。
だいたい、2番の歌詞はトワイライトつまり夕方の情景じゃなかったのか
いつの間に陽射しが出てきたんだ。
トワイライトは朝方のことも言うらしいが夜明けに待伏せないし
「夜にまぎれても」と言っているから夕方で間違いない。

そしてやっぱりこの2行は、過去または事実である感が強い。
「フォトグラフ」なんて、ほとんど「想い出」と同義だ。

しなやかな仕草と
渡されたカクテル
恋のめまい のみほす

カクテルを渡されるような仲ならもうほとんどデキてるじゃないか。
飲み屋の店員なのか?

あとは繰り返し。

たぶん、「If you give me your heart」は、
仮定というより、願望の意味なのだろう。

まあ、今この曲を何度も繰り返して聴いていていい曲なのだけど。
歌詞もちょっと意味がわからないくらいなのがいいとは思うけど。

冷静に考えるとおかしいので、我慢できなかった。