2007/12/22

Endless Wire



2007/11/01(Thu) 01:36

WHOは年取ってからよくなった珍しいグループである。若いときもよかったのだが、青さ、ダサさが強かった。年をとってから、いい具合に枯れて、かっこよくなった。ドラムとベースがかけてしまったが、WHOはピートさえいれば後は誰でもいい。でもロジャーはそのダサさと洗練されてなさがいいんだと思う。


2007/11/21(Wed) 21:41

SELL OUT

これは20になるかどうかの頃に貸しレコード屋で借りた問題作である。傑作アルバムであるとは決して言えない。駄曲が混じっているからである。しかしPeteTownshendの天才がかしこにきらめいている。



 2007/12/22(Sat) 03:29

 撤回します。Sell Outは間違いなく名盤です。Who Are Youもそうです。

2007/12/15

Dylan

そしてDylanこれは最近出たベストのことではなく、ずっと前、70年代かな、に出たカバー集である。これはたしか日本未発売、少なくともCDは未発売のはずである。私も店で売っているのにはお目にかかったことがなく、P2Pで落としたのである。しかしこれは最初に聴いたときから傑作だと思った。しばらくしてこのアルバムはレコード会社とDylanとのあいだで契約のイザコザがあり、レコード会社が未発表テイクを集めて勝手に発売したアルバムであるらしいことを知った。それにしても、いい。

Down In The Groove

を聴いている。なかなかいい。リリースされた時は貸しレコード屋でCDを借りて聴いたのだがピンとこなかった。たしかDylan and the deadの後か前かである。Deadも、これも、駄作だなと思っていた。80年代の世間の評価は低いが私は絶頂期であったと思っている。しかしこのアルバムはさすがに駄作と言わざるを得ない・・・と思っていたが、けっこういいじゃん。特にこのアルバムにはSteve Jonesが参加している。彼が曲を録ったときの様子を話しているのを読んだのだが、とてもテキトーだったらしい。後にも先にもあんなlooseなレコーディングはなかった、と話している。

2007/12/05

J.D. Salinger THE CATCHER IN THE RYE

ふと、サリンジャーの原文が読みたくなって、高校生の頃買ったペーパーバックを開いた。catcherの赤茶色の、carpenterの黄色の表紙は見るだけで当時を思い出してしまう。両方とも1ページも読まなかったのだが、だいぶすんなり読めるようになっていた。しかしぎっしり書いてある。最近読んだり書いたりする文章は短くて、数行ごとに改行されているようなものが多い。文の途中で改行することさえある。仕事の文章と文学とは違うが、それにしても小説というのはこうやってぎっしり書くのが本来の姿である事を再認識した。小説でも、司馬遼太郎なんかは異様に改行と空白が多い。これは読みやすいようで読みにくい。私は司馬遼太郎の作品はほとんど読んでいない。いったん竜馬を読んでみた事があるが一冊目で挫折した。ああいう書き方だと、ページに余計な視覚情報が付加されて、純粋に概念の媒体としての役割を果たさなくなってくるのではないか。



2007/10/19

家族ゲーム

当時かなり話題になった映画。当時学園ドラマといって学校生活をドラマにすることがはやっていたのでそのパロディみたいなものなのだろうが、当時はよく理解できなかった。と言っても見たのはテレビ放送で、重要なシーンがカットされていたが。全部見たのは今回が初めてであるが、とてもよかった。受験と学校と家族というもののけだるさ、やりきれなさがよく出ている。あの頃の少年は大部分あんなふうに無気力なものだ。彼の担任役の教師が非常にいい味を出していた。ジャージをだらしなく着て、つまらなそうにしている。加藤善博という人で、ついこないだ亡くなったことを知った。この映画を放送したのはそのためだったのかもしれない。松田優作、伊丹十三。由紀さおりはなんてことのない普通のお母さんを演じているのだが、この透明なキャラクターが例によってこの作品を支える透明だが太い柱となっている。

2007/10/18

主人公

主人公は無性格で凡人の方が良いという事について。あらためていろんな作品を見回してみるとほとんどの主人公がそうであることに気づく。逆に主人公が異常であるほうが珍しい。真っ先に思いつくのが「人間失格」である。この作品は特に若者に衝撃を与える有名な作品で、
最近漱石の「こころ」をぬいて新潮文庫の売り上げトップになったという。
人間を失格するくらいの男なので普通ではない。

主人公が異常者と言えば「仮面の告白」である。この主人公に共感を覚える人はそういないだろう。しかし彼は異常人ではあっても常識と平凡であることがどういうことかを理解していてそれを装う事ができた。でもやはり彼の異常さは作品を破綻させるよう働き、結局は人生も破綻させた。「潮騒」はうまく彼の異常性を隠し通すことに成功した数少ない作品であるがそれが彼の本当の姿、本当に彼が書きたかったものでないと言うことは本人が告白している。

最後の大作でも、平凡な男であるはずの本多が覗きで捕まるというマンガのような転落をする。「豊穣の海」は、1・2巻までは傑作だが3巻で疑問符が付き、4巻は悲惨なまでに破綻している。そのためにこの作品は絶対に傑作とは呼べない。「豊穣の海」を傑作だと言う人は4巻を読んでないだろう。

三島由紀夫という男は太宰とは正反対のようで似ているのかもしれない。三島は45歳、太宰は39歳で死んだ。もう俺も彼らの人生と同じくらい生きてしまったのだ。だからそろそろ彼らの作品を批判するような事を書いてもいいだろう。この年で彼らはすばらしいと賛美しているほうが気持ち悪い。

結局、三島由紀夫は文学に愛想がつきたのではなかったか。所詮文学なんて覗きじゃないかと。行動しなければ意味がない、と。よく「本を読め」「最近の若者は本を読まない」言われるが、それはどういう本なんだろう?「人間失格」、「こころ」、「金閣寺」、どれも陰惨な後味の悪い作品である。私はたいした読書家ではないが、いわゆる名作文学にまともなものにお目にかかったことがない。私は喜劇や悲劇を否定したというソクラテスにおおいに共感する。ソクラテスもそれらが好きだったのだが、そのうえで否定して知を愛する人となったのである。


2007/10/16

FIRE AND GASOLINE

Steve Jonesの2枚目のソロアルバム。

1990年か1991かその頃の作品だと思う。MERCYが傑作だったので楽しみにしていた。池袋のTOWER RECORDだったかな?河合塾の近くの店、で買った。確かPeteの Iron manが出た頃だったと思う。ジャケットデザインからしてちょっとおかしい。なんせドクロだから。しかもバックが炎。聴いてみるとMercyの頃のSteveはどこいったんだという雰囲気。同一人物とは思えない。でもそういう裏切りをするところはDylanと同様、魅力でもある。Steveは過小評価されたギタリストだよ。

GOD IN LOUISIANA 
On the fortieth floor of heaven
In the executive penthouse suite
Sat the commander in chief
And creator of the planet and galaxies 
With a map of Louisiana
A file of photos and facts
He said look what these people
Have done in my name
It's a sin the way some of them act 
God was talking to Peter
God was talking to Paul
God was talking to Jesus
But God isn't talking to some of these people at all 
I offer them peace, they want vengeance
I offer them faith, they want power
I offer them mercy not money
I offer them hope they complain by the hour 
They poison themselves with their judgement
They flatter themselves with their pride
I give them the truth that could set them all free
They build up cathedrals in which they can hide 
If you do it to one of these you do it to me
If you give it to one of these you give it to me
If you spit upon one of these you spit upon me
If you rip off, lie to, hit on, I'll tell you
You might as well do it to me yeah yeah yeah

すばらしいゴスペル。



2007/10/04

happy?




2007/10/04(Thu) 23:32

Public Image Limitedの、何枚目だろう?これもまだアナログレコードの時で、借りてカセットテープにダビングしたものである。死ぬほど聴いた。PILのなかでは回数では一番聴いたのは間違いない。最高傑作といっても過言ではない。


2007/09/29

WHO ARE YOU



The Whoの最高傑作といえば、だいたいTommy, Quadrophenia, Live at Leedsのどれかだと言われるが、これもかなりいい作品である。軽くて明るい感じがいい。Johnの曲もいいし、キースのドラムもよく聞こえる。

who's nextも傑作として有名であるが、何度聴いても好きになれない。


2007/09/26

Good as I been to you




久しぶりにbobdylan.comを見に行ったら、いつの間にか歌詞が掲載されていた。たしか最初はtradであるとだけで歌詞は載ってなかった。

このアルバムには自分で作った曲が1曲もないが大傑作である。

特にこの3曲はすばらしい。

Jim Jones
Little Maggie
Arthur McBride

2007/09/23

hendrix

ベストヒットUSAでインタビューとウッドストックでのfireをやっていた。変わった人だ。けっこうマトモでよくしゃべる。肝心のギターはもう唖然とするばかり。ライブでちょっとテンポが速くてやっつけてるみたいなのっていいな。

2007/09/22

suzanne vega

 大好き。浪人してた頃、貸しレコード屋で借りた。 こういう世界も、最近なくなっちゃった。 懐かしい、いとおしい人の一人。

2007/09/17

Glenn Gould

グールドを知ったのは、CD屋のバッハコーナーで適当に物色していてジャケットのふんぞり返って座っている写真などを見て、なんとなく買ったのがきっかけだったと思う。それまでは名前を聞いたこともなかった。それは1981年録音のゴールドベルグ変奏曲だった。・・・いや、思い出した、その頃氷を作るときに音楽を聴かせるときれいな結晶ができるということが書いてある本を読んでいる人が常磐線の中にいてそれを背後からのぞいていたら、一番きれいな結晶を作っていたのがゴールドベルグを聴いた結晶で、これはぜひ聴かねばなるまいと思ったのだ。

ゴールドベルグ自体がすばらしいので、それはそれでいろんな奏者のCDを買った。一番いいと思うのはヴァルヒャのハープシコードのやつである。だがグールドの特徴ある弾き方にも感心して、何枚かCDを買った。

You're under arrest



これは高校生の頃貸しレコード屋で借りて聴いた、初めてのmilesのアルバムである。その頃はジャズなんて全然聴いていなかったのだが、milesのことはCMに出てたので知っていた。

このアルバムはmiles作品としては変わった作品に入るだろう。一時期ジャズを研究していた時期があってmilesの主要作品はほとんど聴いた。自伝も読んだ。パーカーやコルトレーンも聴いてみた。

一通り聴いてみて最近はほとんど聴かなくなったけど、たまにCD屋行ってmilesコーナー行くと欲しくなるのはコレである。なんといってもtime after timeだが、アルバム全体の雰囲気、流れもいい。ジョンスコもいい。ジャケットもいい。


Milesを初めて知ったのはTVのコマーシャル。TDKだったかな?ミュートトランペットの音が怖いくらいに美しかった。まだ小学生だったかな・・・。ちゃんと聴いたのはunder arrestが最初。それからしばらくして亡くなった時に追悼版を買った。stockholm, never entered my mind, yesterdaysなどが入っていた非常によい選曲だった。

またしばらくしてmilesを本格的に聴いた。workin'が好きだった。milestonesもよかった。「モード」というものを研究したのもこの頃だった。仕事してなくて、毎日前後不覚になるまで飲んで昼まで寝てた日々。世間的にみたら最低だが、自分のなかではあの頃の自分が一番自分らしかったと思う。

2007/09/16

森鴎外 「渋江抽斎」

2007/09/16(Sun) 21:55

今「渋江抽斎」を読んでいる。きっかけは何だったかな平野かな。退屈極まりないんだけど、出てくる人名が面白い。自分の子供につけたい名前がたくさん出てくる。成善とか、五百(イオ)とか。不思議なことに俺が思いつく名前は姓名判断で凶数ばっかりなのに、チュウサイで出てくる名前はみんな吉数なんだ。

Layla

このアルバムは高校生のときに貸しレコード屋で借りてテープに録音して聴いた。友人で洋楽に詳しいのが口をそろえてエリッククラプトンは偉大であると言っていたので聴いてみたのだが、あまり好きにはなれなかった。ほかのエリックのアルバム、クリームも聴いてみたが、今に至るまで理解できなかった。

昨日とつぜん、このアルバムの最初の方が聴きたくなって手に入れたのであるが、1曲目を聴き終わったらもう飽きてしまって飛ばして、have you ever loved a womanをちょっと聴いて、little wingを聴いて、laylaを聴いた。laylaはいやというほと聴いたり聴かされたりした曲であるがこれもそんなに名曲だとは思わない。
アルバムでは461とbehind the sunをちょっと聴いていたこともあったな・・・でもやっぱりエリッククラプトンって、退屈。

でもI looked awayとbell bottom bluesはいいな。なんかヤケっぱちな感じが。このギターの音はどういう音だろう。ハムバッカー系な感じがするが。


laylaってさ、だれだっけ、ジョージハリソンだかリンゴだか誰かの奥さんのこと好きになっちゃった曲なんだよね?で、あんなリフ・・・。ふざけた男だよね。自分の息子が死んだら鼻歌みたいな曲も出したっけ。ほんとに最低男。ドラッグやったらおしまいだね。

でも I lookd awayは傑作だな。
これが聴きたかったんだ。
レイラとかは駄作だけど、この曲はいいよ。

2007/09/09

松田聖子

なぜか急に聴きたくなってbibleというベスト盤を買ってきた。
「裸足の季節」というのがデビュー曲だったと思う。これは化粧品のCMソングだったのだが、松田聖子は別に鳴り物入りでデビューしたわけでもなかった。まあ売り出す側にしては鳴り物入りだったのかもしれないが。

すばらしいボーカルである。過去にも、そして彼女以降にも、こんなボーカリストはいない。どこがいいのか。まず声量がある。つやのある声。声を張った後にちょっと声が軽く裏返るみたいなアクセント。「青い珊瑚礁」の、「南のー風に乗って」の、「のー」の後のところである。

今も聴いているがもう涙が出そうである。初めて松田聖子を見たのは、当時毎週見ていた木曜夜九時のザ・ベストテンである。久米宏と黒柳徹子という今ではありえない司会。松田聖子はたしかベストテン入りする前に、注目歌手として登場したのではなかったっけ。CMで声はずっと聴いていてどんなかわいいコなんだろうと楽しみにしていたのだが、今で言う「引く」くらいにがっかりした記憶がある。「bible」のブックレットに載っている顔はもうまったく別人である。整形しようがどんな化粧しようが勝手だが、この顔は私の知っている松田聖子ではない。

4曲目から財津和夫。そして大滝詠一。このころにはもう貫禄十分である。そして「赤いスイートピー」でユーミンに曲を書かせた。このときに歌手として天下を取ったといっていいだろう。

しかし当時は気づかなかったのだが、今回聞きなおしてみると、「風立ちぬ」の頃にはもう声が変わってしまっている。タバコをすい始めたんじゃないだろうか。もしくはスケジュールがハードすぎて喉をつぶした。ハスキーっぽい声になっている。
「夏の扉」あたりからその兆候が見られるがこのときは技術でうまくごまかしている。

でも全盛期だった中学高校の頃はそんなにすばらしい歌手だとは思わなかった。顔も、あけっぴろげな性格もあまり好きじゃなかった。色気もないし。

「瞳はダイヤモンド」くらいになると、もう今の歌い方とほとんど変わらない。モノマネをする人がやるのもこの頃の発声である。たぶん軽くハスキーで子供みたいな声をだすのは肉体の衰えに関係なくできるんだろう。

というわけで彼女の全盛期は3曲目まで。

たぶん、彼女に注目してデビューさせた人たちは「ロックンルージュ」とか歌ってた頃にはあーあ、こんな歌手になっちゃったかとがっかりしてたと思う。

2007/09/07

バリーリンドン

キューブリックの主要作で唯一見ていなかった作品。感心はしたけど感動はしなかった、といういつものパターン。三島由紀夫のような。しかし少なくとも最高傑作ではない・・・と思ってじゃあキューブリックの最高傑作って何だろうと考えたら答えは出なかった。
さてこの作品は清く正しく生きた貴族の話かと思ったらとんでもなくて、「時計仕掛けのオレンジ」にまさるともおとらない畜生な主人公。「人間失格」や「アマデウス」を彷彿とさせた。キューブリックはほんとに何を考えているのかわからない。

星をつけることにしたんだっけ。大日本人と監督ばんざいが4つって・・・
☆☆☆★★


キューブリックの主要作といえば、突撃も見ていない。ロリータも見ていない。
まだまだだ。突撃については、確かスピルバーグが、熱く語っていたのを見たことがある。これも見なくてはいけない。しかし1957とはずいぶん昔だ。多分その頃の作品だと思うが現金に体を張れというかっこ悪い邦題の作品も最近見た。キューブリックが撮ったとは思えないようなチャチな感じがした。

えらく感動したスパルタカスだって、高校生の頃夜中にテレビでやっていたのを見ただけだ。カットされてたかもしれない。キューブリックは気に入ってない作品のようだが。

2007/09/05

blind willie johnson



Bob DylanはBlind Willie McTellのことを "And I know no one can sing the blues / Like Blind Willie McTell" と歌ったが、私はマクテルよりもこっちのほうが最高のブルースマンだと思う。
ディランよりも汚い声。引越しのサカイのCMみたいな夫婦デュエットだが、とても和むしカッコいい。

2007/09/04

どですかでん

どですかでんを録画したので寝る前に見てみた。かなりハチャメチャである。やたら役者が多い。ストーリーらしきものがない。カラーである。クロサワでカラーのものといえば、影武者、乱など最近のものしか知らない。影武者は子供の頃映画館で家族で見に行ったのだがよく覚えていない。乱はテレビでやっていたのをチラリと見たのだが、あまりいい印象はない。どですかでんは、どうやらクロサワの初のカラー作品のようである。色彩がどぎつい。赤、青、黄色などの原色をガンガン使っている。古ぼけていていい感じになっているが、あまり品のいい色使いではない。真っ赤な洗面器とか。

これはオリジナル脚本ではないだろうか。あと、武が座頭市で槍を持って走り回る男について、どですかでんのオマージュだとか言っていた記憶がある。

オリジナル脚本ではなかった。興行成績はよくなかったらしい。そりゃそうだろう。かなりぶっ壊れた映画だ。監督ばんざいとかがかわいく見える。やっぱりクロサワは腕力が違うという感じがする。まああんまり好きではないんだけど。

どですかでんの後半を見た。乞食の親子の子供が死に、酒飲みの娘が人を刺した。
最後は突然やってきた。原作はどんな感じだったのか少し読んでみたい気がした。
ネットでアマゾンのレビューを見たら、映画は小説を読めない人のためのものか、という言葉があった。
私はそこまでは思わないが、小説として成立しているものをそのまま映画化することには否定的である。
また、作り物である映画や小説に感動して涙を流すというのも、道徳的な観点からするとどうだろうかと思う。
だから私は三島とかキューブリックとかの人を皮肉ったような作品を好むのかもしれない。
それはそれでまた悪趣味ではあるけど、人が死ぬとか、弱いものを助けるとか、苦しみに耐えて成功するとか、そういうことを架空の世界でつくりあげて感動する、というのが文学の目的でないことは確かだ。
星は4つにせねばなるまい。
☆☆☆☆★

2007/08/25

Sex Pistols

すばらしい。俺ももうすぐ40歳。Fat, Forty and back.
この無邪気さ。誰がなんと言おうとPistolsはすばらしい。そのすばらしさも、正統なすばらしさであるところがいい。今聴いているのはMDにコピーしたKiss Thisである。本当は高校生の頃聴いていたflogging a dead horseがいいのだが・・・。ジャケットが変わってしまって、最後のswindleのバージョンも変わっていたような、そうでなかったとしても、なんか違う、と感じた。アナログとCDの違いだろうか。そう、初めてPistolsを聴いた時はまだアナログレコードだったbollocksもアナログで買った。中古屋に売り払うとき、ほぼ定価で引き取ってくれたのに驚いた記憶がある。

というわけでfloggingを入手して聴いている。このアルバムはある意味ベストアルバムなのだが、選曲がよい。submission とか seventeenとかのゆるい曲がない。i wanna be meとか no funとか did u no wrongとかの佳作がちりばめられている。さらにsidのソロまで。ronald bigsと最後のswindleが嫌いな人が多そうだがこの選曲であれば許せる。こっちのほうがkiss thisよりもsex pistolsがどんなバンドだったのかをよく伝えているアルバムである。

silly thingは絶対こっちのバージョンのほうがいい。
最後のswindleは誰だかしらないムカツクやつらが変わりばんこに出てくるのが面白い。

2007/07/23

マチルダBABY

あるところで夢うつつの状態でサザンのマチルダBABYを聴いて、驚いたのだ。

こいつ、すげぇ、と。

サザンは高校生の頃ちょっと聴いていてもちろんこの曲も知ってたんだけど。 歌詞の空疎さとかから最近はぜんぜん聴いてなかったんだけど。

 

2007/07/11

平野啓一郎 「日蝕」 

芥川賞をとったときは騒がれた。文芸春秋を買って読もうとしたが読めなかった。
石原がケチをつけていた。当時はやたら難しい言葉をつかうなと思ったが今読んでみるとそうでもない。あらためて読んでみるとなんだかドラクエやFFの世界のようである。当時は京大法学部ということなどにビビっていたのだが、しょせんはまだハタチくらいのガキ(失礼)の書いたものである。

キリスト教の話がでてくるのだが、彼はいったいどう思っているのだろう。
クリスチャンなのだろうか?信仰が人格のすばらしさにすりかえられていてはダメだ、受肉したことの意味が大切だ、などはいいところをついているのだが、いったい彼はキリスト教をどうとらえているのか。

錬金術、アンドロギュノス(両性具有)、魔女・・・
異端とされているものを賛美しているように見える。
アンドロギュノスの火刑はあきらかにイエスを意識しており、冒涜していると怒られてもしかたないだろう。
エログロナンセンス・・・・
ただ、一気に読まされたし、ときどきうっとりするような気にさせられたのも確かである。なんでこんな文体なんだというイラつきもなくはなかったが・・・
読み終わって、私の本棚の三島コーナーの横にしまってやった。

2007/07/09

壊れた扉から




CDを買った。初めて聴いたのは発売直後、まだアナログレコードだった、確か高校2年の冬、2月だったと思う。貸しレコード屋で借りて、返すために学校にもってったら何借りたの?と聞かれてオザキといったらオザキっていいか?とちょっと小ばかにされたが俺はこのアルバムが大好きで、ダビングしたテープを死ぬほど聴いた。回帰線はいいと言った兄貴もこのアルバムはなんか気に入らなかったようでとくに最後のほうでオザキがしゃべるのが気に食わなかったらしいが俺はそんなことまったく気にせずに尾崎はいいなあと聴いていたものだ。

それからしばらくして、俺はそのテープを捨ててしまった。尾崎だけでなく、貸しレコード屋で借りてダビングした数々の名作をみんな、捨ててしまった。
それからしばらく尾崎を聴く事はなかったのだが、死んで半年くらいたった頃、耐え切れずに貸しレコード屋で、今度はCDだった、扉と、バイブルを借りた。そのときなぜか買ってもいないのにカセットテープを2巻つけてくれた。俺は何も言わずだまってそれを受け取って、録音して、また擦り切れるほど、音が片方のスピーカーだけ一部消えるくらい、聴いた。

そのテープをMDに録音したものは今でも持っている。もう一枚MDがあって、それは擦り切れてしまったテープ音源はあんまりだからと近所の貸しレコード屋でCDを借りて録音したものである。だから私は扉を録音したMDを2枚持っているというわけだ。

このアルバムは、路上のルール、forget-me-not、彼、という彼の作品の中でも指折りの傑作がならぶものすごいアルバムであり、特にレコードではひっくり返した最初の曲であるFreeze moonは、尾崎の最高傑作であると、わたしは思っている。

大日本人



「大日本人」と「監督ばんざい」が公開中である。
昨日「大日本人」を見ようと西武新宿駅近くの映画館にいった。
18:50分からの回が始まる30分くらい前だったが、満員札止めだった。
まっちゃんの映画をみんなが見ているのはいいことだが、ちょっとほとぼりがさめるのを待とうか。
さすがの俺も、「監督ばんざい」は見ない。
タダ券でももらって、2時間つぶす必要があって、あるいて10分くらいのところに上映館があって、というような状況なら見るかもしれないが。


「大日本人」
☆☆☆☆★

今回から星をつけることにした。巨大化して怪獣と闘うとかいう話をきいてオジンガーみたいなのをやるのかと心配していたのだが、CMでかいま見える映像はなかなかいいのでひょっとしたらいいかもしれないと期待していた。生活臭のにじみすぎな大の日常と映像としては上質だがくだらなさはごっつと変わらない特撮シーンのギャップがよかった。塚本晋也の鉄男をほうふつとさせる。私はあのインタビューシーンみたいなものをずっとやって欲しかったくらい、楽しかったが、それもあのグロテスクでナンセンスな戦闘シーンがあればこそだったのかもしれない。最後にグダグダな感じになったのは、破綻でも逃げでもないだろう。まっつんはああいうのが本当に好きなんだ。「映画で何をやっとんねん」と言われたかったのだ。映像は美しかった。見ていて気持ち良かった。


大日本人をもう一度見た。2週間くらい前に行ったら満席だった新宿の映画館である。こんどはすわれたのだが席は8割くらい埋まっていただろうか。前回の池袋のときとは客層が違い、カップルが多く20代が一番多かったのではないだろうか。反応もよく、終始クスクス笑いが起きていた。板尾のでてくるところではみんな笑うのは池袋と同じだった。1回目は1時間くらいたったところで退屈になって時計をみたのだが今回は非常に時間のたつのが速かった。問題の「実写」シーンであるが、
もう一度あのシーンの意図を考えてみた。松本は、このまま終わったらカッコよすぎてしまうことを恐れたのではないか。もうお笑い番組に出ても笑ってもらえなくなってしまうのでは、と。それがイヤだった。まっちゃんはいつもくだらない事ばかりいっているしょうもない芸人でありたかった。だからあんな風に最後をわざとチャチにしたのだ。


7/21からリンチの新作が公開されるようだ。見に行こう。
今週から上野で大日本人が始まる。また見ちゃうかな。


大日の3回目を見た。途中で強烈な尿意をもよおしたため、終盤はあまりじっくり見られなかった。
3回目ともなるとさすがに飽きてきた。今まで見たどの映画館よりも客の反応は薄く、かろうじて一人女の子の笑い声がきこえた。
そのコは「おしまい」の文字が出たときに拍手していた。そんなやつは初めてだ。
3回目での新しい発見は、反射をうまく使っていた事。
コンビニやファミレスのガラス窓に映る街の風景に重なる人物、雑多な商品。
スクーターで変電場へ行くのを車内から追う時のフロントガラスにうつるダッシュボード、
たそがれた景色、風に舞う木の葉。それらはとても美しい。
問題のラストであるが、見た後寝て起きて思ったことがあるが、これは一種の「夢オチ」なのではないだろうか。

2007/07/06

Baba O'Riley


Don't cry
Don't raise your eye
It's only teenage wasteland
Peteの歌詞は、特にWHOの曲は、たいした内容がないものが多い。ラリって作ったようなものが。名作とされているNEXTがあまり好きでないのも、歌詞のせいである。
さてbabaのなかの有名な dont't raise your eye であるが、これはどういう意味なんだろうか? raiseというのは raise your handとかで使う、「あげる」という意味だから、私は「目をあげる」という意味だとずっと思っていた。普通、「泣くなよ」ときたら「顔をあげなよ」と来ると思う。それなのに、Raise your eyeではなく、Don't raise your eyeなのである。

ただ、raise your eye という表現自体が、あまり使われないのではないだろうか。
肉体的な目のことをいうときは、open your eyesのように所有代名詞+複数形で使うが、単数で使う場合は視点とか観点という抽象的な意味になるのかな?keep an eye とか catch your eye とか。

目をグリンと上に向けるとなんか、「もうだめだ、参った」みたいな感じもするけどそういう意味なのかとも思う。

Psalm 121
1I will lift up mine eyes unto the hills, from whence cometh my help.
2My help cometh from the Lord, which made heaven and earth.
3He will not suffer thy foot to be moved: he that keepeth thee will not slumber.
4Behold, he that keepeth Israel shall neither slumber nor sleep.
5The Lord is thy keeper: the Lord is thy shade upon thy right hand.
6The sun shall not smite thee by day, nor the moon by night.
7The Lord shall preserve thee from all evil: he shall preserve thy soul.
8The Lord shall preserve thy going out and thy coming in from this time forth, and even for evermore.

「われ山に向かいて目をあぐ」

これは太宰がどっかで引用していた。
これの事か?

「目をあげて助けてくれる神様をさがすな
ただのteen age wastelandだよ」

ということなら意味が通る。

「そんな目でみないでくれ」と訳している人がいた。
ほーなるほど。サリーにむかって言ってるんだな。それはあるな。


ジル・ドゥルーズ 「記号と事件」

めっきり本を読まなくなったが、ドゥルーズという人の「記号と事件」という文庫を買った。あるブログで紹介されていたのである。ちょっと読んでみたがあまりおもしろそうではない。フーコーとか、ドゥルーズとか、レヴィ・ストロースとか、構造主義とかは大学生になりたての頃に、ちらりと聞いたのだが、どうもピンとこなかった。そしてこの辺の人たちはホモっぽいよね?当然のように無神論者だよね?そういうところからあまり近づけない人たちである。

ドゥルーズは自殺している。フーコーはやっぱりホモでエイズで死んでる・・・。
ストロースはまだ生きてる。もう100歳近いじゃないか。
きっかけはソシュールだった。講義の本を買って意気込んで読んだがたいしたことを言っているようには思えない。「言語そのものとそれが示すモノの関係は恣意的だ」ということがちょっと引っかかったくらいで。さらに本人が言語学に失望したというような話もきいて冷めた。構造主義というものもよくわからない。後に高岡がソシュールや構造主義に言及していてそのときはかなり興奮したのだが今では高岡にも興味を失いつつある。

2007/06/17

監督・ばんざい!

「監督・ばんざい!」
☆☆☆☆★

大日本人とは引き分けです。ほとんど笑えなかったのだが、後半のナンセンスさは見ていて楽しかった。
ネットや雑誌のレビューはあてにならないね・・・
一番の名シーンはロボットがぱかっと割れて出てきた吉祥寺に、アンが結婚を決意するところだね。感動すら覚えた。なんでやねん!って声に出したくもあったけど。
途中で思ったのだが、武は「大日本人」を途中で見たんじゃないか?もしくは詳しい内容を、なかなかいい映画だ、みたいなことを聞いたとか。
松本に対抗するには普通のことをやってたんじゃだめだと。

江守がいい味出しているといううわさをきいていたけど
それよりらっきょと、杏だね。杏はMVPだよ。

2007/06/09

2001 A SPACE ODYSSEY



2007/06/09(Sat) 03:23

私が生まれた年に公開された映画。高校1年か2年のときに映画館で見た。
その後何度かレンタルやテレビ放映を見ているが、今回、途中までだが、
みて、この作品がつまらなく思えてきた。

この映画が神というものを扱っていることは間違いないと思うが、
その神観が、非常に低級なのだ。導入部の、猿のモノリスに対する態度、あれがこの映画の神観をあらわしている。神は畏怖というより恐怖の対象、無機質で感情もない、人間と交流する事もなく、人間が交流することもなく、おっかなびっくりおそるおそる近づいてよそよそしく調べたてる。

映像の美しさや所作の自然さやちょっとわからないところはさすがキューブリックというところかもしれないが、この映画はキューブリックらしい映画ではない。

ただし神観だのストーリーのことになるとクラークに文句を言うべきなので、
これ以上は言うまい。

2007/05/13

太宰治 「右大臣実朝」

「右大臣実朝」を読んでみようと思ったのだが、なかなか読めない。
語り手の卑屈さがむかついてしょうがない。
ときどきはさまれる吾妻鏡の文章が読みにくいので、古文研究法という大学受験の受験参考書を買ってきた。私は古文は嫌いではなかったが理系クラスにいたために初歩的なことしか学んでいない。受験勉強のためだけでない名著として有名なようで、1955年から2007年までなんと100刷を超えている。

実朝という人は頼朝の次男で、29歳で公暁に暗殺されている。
病気がちで文人肌で源氏の最後の男子として夭折したところに太宰が共鳴したのだろう。そういうところが見えてしまうところでも語り手の卑屈さが不快に思える。

しかし日本史というのはハチャメチャである。刀を持ち馬にのって斬りあったり、何人も妾をつくって子を産みまくったり・・・

太宰に話を戻すが、でも太宰というのは生まれついての作家であったと思う。
サーヴィスという言葉がよく出てくる。
作家とはどういうものかをよく表現しているのが、人間失格に出てくる、学生の時に「痰壷にオシッコしてしまった話を悲しそうな筆致で書いて先生を笑わせた」というところだ。


青空文庫。途中からちゃんと読みたくなったので何軒か本屋をまわったがこれだけない。絶版になったのだろうか?たしかに太宰作品のなかでは傑作かどうかはさておいて人気がない作品であることは確かだろう。私も今ようやく読んだくらいだから。

前半は実朝を卑屈なまでにほめたたえているところが気持ち悪かったのだが後半になるとこれはホメ殺しなのかと思えてくる。まるでバカ殿かドンキホーテのような。寺村輝夫の「ぼくはおうさ」まのような。
興ざめなふんいき、暗い、卑屈な、はにかんだように笑う人間。こういうものを太宰は憎んでいたと同時に自分の中にそれを認めざるを得なかった。それは人間失格では全面的に自分で背負っているが、「実朝」ではまだ、敵として非難の対象になっている。

あと、酒。何度も、酒を飲むけどハメははずさない、一線は越えない、みたいないいわけが出てくるが、実際のところ実朝は酒飲みで歌にうつつをぬかすダメ人間、将軍失格、というふうになってしまった。

実際の実朝がどうだったのかも非常に興味がある。「金塊和歌集」の名は私でも知っていたくらい。相当のものなのだろう。頼朝の次男、鎌倉幕府の3代将軍、源氏の最後の将軍が、頼朝の長男すなわち実朝の兄の子供すなわち実朝の甥に殺されるという悲劇。このこと自体がすでに大変なドラマであり、これはこれでどういうことだったのかはもう少し知りたい。

が、それはさておいてこの「右大臣実朝」という作品についてだが、読後に「なんともいえぬいやな興ざめの気分」が残る。実朝を賛美しているのか、哀れんでいるのか、バカにしているのか、自分を重ねているのか、その辺が揺れてしまって筋が通っていないように感じる。

最後のほうの公暁のセリフには、「駆け込み訴え」のようだ。「駆け込み訴え」を読んだ時はなかなか小気味よかったのだが、実朝の公暁にはそれがない。非常に暗い、シャレにならないような、「引く」ような感じ。
不吉な不気味な予兆というのは「斜陽」にも出てきたけど、太宰はそういうのが好きなのだろうか、何か意図があってやっているのか、誰かのマネをしているのかわからないが気持ち悪い。

またこの女が卑屈なまでにへりくだる語り口は芥川を感じさせる。
しかし女の腐ったようなイヤな雰囲気は太宰の方が数段上である。

2007/05/10

太宰治 「火の鳥」

太宰の未完の長編とやらが青空文庫にあったので暇つぶしに読んでみた。
安っぽいテレビドラマのようだった。「富嶽百景」と同じ頃に書いたらしいが。
続いて坂口安吾がほめていた「男女同権」、「親友交歓」というのを読んでみた。
傑作だろうか?私は好きではない。「男女同権」のほうは「人間失格」のやけっぱちの原型のようなものが見える。「親友」のほうは、前にも読んだが、とにかく後味が悪い。

それからつづいて太宰に関する評論のようなものをパラパラと読んだ。
そして、今日、思ったのは、もしかして太宰は変人ではなく、普遍的なのは太宰のほうなのではないか、ということである。
太宰は性格破綻者で破滅型で無頼派であるという人々、生活に嫌な雲があるとか言う人、酒さえ飲まなければとか言う人、そういう常識人ぶった人の方が実は変人なのではないか、ウソなのではないか、太宰のような照れ屋で自意識過剰でやさしくてスケベで酒が好きで女が好きなようで嫌いで、という方がほんとうなのではないか、いつまでもいつの時代でも彼が人気者なのは彼が普遍だからではないか、なんて、彼が死んだのとほぼ同じになった今、思う。

2007/05/09

night on earth



なぜ邦題は「オンザプラネット」なのか。
これでジャームッシュ作品は全部見たかと思ったら10ミニッツオーダーという映画の中で
一編作っているようだ。

dead manのワイド版だかなんだかがやっていたのでまた録画して、何が違うのかと思ってもう一度みたけど何も違わなかったけどやっぱり傑作だったけど最後の一時間はすごく眠くて少し寝てしまった。

2007/04/30

Mystery Train



2回目だということにしばらく見てから気づいた。工藤と永瀬というポップすぎる役者が出ているのが少し違和感があったので敬遠していた。初回の印象もあまりよくなかった。Elvisに対する思い入れのなかった前回と今回では見方も大きく変わった。前回はElvisはたんなる有名人でしかなく幽霊のエピソードも皮肉なのかと思っていた。
メンフィスって何もない町なのかな。

ROCKY THE FINAL

ROCKY THE FINALの評判がいい。ブログや週刊誌などではけなしている人は皆無だ。
来週金曜日公開。多分激混みするだろう。ロッキーは芸術作品ではないが、「別腹」だ。見てもいないうちから勝手に話を想像して泣きそうになった。
あの音楽が流れて、ロッキーは50歳で、エイドリアンはすでに亡くなっている、もうそれだけで泣くのは必至。


ROCKY THE FINAL

takeshis'以来の劇場。涙が流れましたよ、最初の方で。
でも、駄作ですね。ロッキーシリーズ最低ですね。2といい勝負ですね。
タリア・シャイアは出演を断ったんではないでしょうか。
それでやむを得ず死んだことにした。
ポーリーも老けたね。

2007/04/15

GHOST DOG

公開を見に行った最後のジャームッシュの映画。たしか正月だったと思う。
この作品はあまり傑作だとは思わなかった。ジャームッシュにしてはメッセージというか主張が強いように感じた。
あらためて、武との共通点を感じた。公開当時も、BROTHERと重なる部分が多いなとおどろいたのである。

2007/04/13

男たちの大和

ヒットしたというのであまり見る気にならなかったが、テレビならタダなので録画しておいた。今まだ途中なのだが予想通り安っぽい人情モノになっている。
もっとファナティックで悲壮な話だったらいいのにな。
音楽が暢気。長渕の主題歌じゃなくて終始ながれているオーケストラの音楽のこと。画質がよすぎて逆に安っぽい。

出てる役者がポップすぎる。渡哲也、中村シドウ、反町、一茂、奥田エイジ・・・。シドウは特に気に食わん。

そのくせ戦闘の場面ではけっこうグロい。
戦争の悲惨さを伝えようとかいうつもりなのか。
CGもなんか、醒めるね。

2007/04/12

素晴らしき哉、人生!

このタイトルは皮肉でもなんでもなく、そのまんま人生って素晴らしいですね、という意味である。
わたしはこの映画を20歳のころ、ある人にすすめられて見た。
その人との関係は単なる友人よりは少し公的な関係だったのだが、
わたしは素直に感動はできない、というような感想を述べた。
と言いながら実は涙まで流していたのであるが。

しかし、涙を流しながらも、何か違うという感じがあった。
今回再度見てみて、やっぱりおかしいと感じた。

この映画はおそらく、クリスマスキャロルにヒントを得ていると思う。
そして私はクリスマスキャロルにも、この映画と同様の批判的な気持ちがある。

この映画には天使がでてきて人生に絶望した主人公が自殺しないように導いていくのであるが、
それは自分が翼を得るためなのである。
もしかしたら天使は無償の行為でおこなっているが照れ隠しあるいは気を使わせないためにそう言っただけかもしれないからそれはよしとしようか。

天使は主人公が存在しなくなった世界を見せ、人生を取り消す事は苦しみと同時に喜びも消す事になる事を思い知らせる。
そして主人公は生きてるだけで丸儲け的な心境になる。
そこへ、主人公がカネに困っていることを知った人々がカンパをしに集まってくる。めでたしめでたし。


この映画の根底には、人は正しく生きていれば必ず幸せになれる、神様が天使が見ている、だから人のために誠実に生きましょう、という思想が流れている。クリスマスキャロルもしかり。

そういう考えは素晴らしいことのようだが、実は間違っている。
それは、現実はそんなに甘くないなどという意味ではない。

そうとは明言されていないが、この主人公が天使に助けられると言う特別扱いを受けたのは、それまでの人生で自分を犠牲にしておおぜいの人を助けてきたからであろう。
もちろんそのことは素晴らしいことだ。私もそれには感動を覚える。

しかし、だからと言って自分が窮境に陥った時にその見返りに助けてもらえはしないのである。もしそれを期待するのだったら、もしくは自分は今までみんなのために尽くしてきたのにこんな不幸な目にあうなんて神様は不公平だ、と呪おうものならその人の善行はすべて無に帰する。

この映画と対照的なのがヨブ記である。
ヨブも主人公と同様正しき人であるにもかかわらず疫病に打たれた。
しかもこれはサタンが神に断りをいれて打っているのである。
この時ヨブは自分は悪い事は何もしていないと譲らなかった。
しかし、これも神のみこころです、と受け入れる事もせず、
生まれてこなければよかった的な発言をする。

結局ヨブはその後神に祝福されるのであるが、
それはそれまでの正しい行いに対してではなく、病気になっても失わなかった信仰に対してなのである。

信じるものは救われる、という言葉は無神論者やアンチキリスト者にそんなうまい話があるかとか信じないものは救わないのかと言う批判の的になる。
じゃあ殺人鬼が信じたら救われるのか、と。

2007/04/10

DEADMAN



ジャームッシュの最高傑作である。今をときめくジョニーデップ主演。
半分くらいはニールヤングのおかげ。ウィリアム・ブレイクを追いかける殺し屋達がすばらしい。もちろんノーバディも。それから途中で出会う人食いらしきやつら。
しかし、実はこの映画のすばらしいところはつまらないくらいに無性格なジョニーデップ扮するウィリアムブレイクなのである。

変人が多く登場するジャームッシュの映画のなかで、これほど常識があって社交性もあってまともな人物は見たことがない。
食人種たちに囲まれた時の受け答えがとてもいい。
「どうして髪の毛がやわらかいのか」「ラッキーなだけだ」
「この帽子をなんと呼ぶのか」「わからない」
「これは何か」「紙でできたバラだ」
など。
質問の内容もおもしろいのだが、それに対して彼らの機嫌を損ねないように必死に丁寧に受け答えする姿。
このビルのまともさが、この不思議な映画を太い柱になって支えているのである。

未確認だが、最後のほうで交易所にいる牧師みたいな店員は、コーヒー&シガレッツで俳優の親戚だとかなんとかいうヤツだね。イギーポップも出てる。
ジョニーザキッドを撃ち殺すときに、馬が1回転しつつfuck me? fuck you!というシーンは、多分偶然回ったのではないかと思う。

それから字が読めない奴が出てくるのがいい。
特に導入部で顔がすすけた奴が話しかけてくるところ・・・
あそこはいい。

2007/04/08

志賀直哉 「暗夜行路」

「暗夜行路」はじめました。
志賀直哉は実はフェイバリットの一人である。殿堂入りは・・・微妙なところだ。
ちなみに殿堂入りしている作家は、ツルゲーネフ、ドストエフスキー、三島、芥川。この4人は文句なしである。

微妙なのは、志賀直哉、鴎外、サリンジャー、谷崎、太宰、漱石、ヘッセ、ゲーテ。
シェークスピアも殿堂入りです。

「暗夜行路」、つらい。読めねー。いくつかの短編はおもしろく読んだんだけど。
芸者がどうのとかいう話が激しく興味もてない。まあこれもとりあえず流しちゃおうかな。

2007/04/01

ウィリアム・ギブスン 「ニューロマンサー」

「ニューロマンサー」という本を読んでみることにした。
サイバーパンクとかいうジャンルの草分けだとか。
ハヤカワ文庫。SFですね。めったに読まない。
あんまり好きじゃないんだけど。

3ページ読んだ。
シャブ中の戯言か・・・
どこまで読めるかな

千葉の中心が仁清って韓国かどっかと混同してるな

「サイバースペース」という言葉はこの人が言いだしっぺだとか。「サイバー」っていう言葉も、すたれつつある。
20年の間にコンピュータや通信は大変な進歩をしたけど、進歩すればするほど、かえって「サイバー」な感じはなくなっていくようだ。
テレビゲームとかファミコンが出始めたころ、いかにもコンピュータっぽい絵や音楽の方が、「サイバー」だったように感じる。

まだ数ページなのだがわけがわからない。
しかしいろんな人が絶賛しておりマトリックスなどの元ネタであるとか
サイバースペースなどの言葉を造った人だとか言われているのでお勉強のために読んでいる。1984年に書かれたと言うことである。
当時は少なくとも私にとってはコンピューターにはほとんど縁がなかった。
インターネットなんて想像もしなかった。
テレビゲームやゲーム機器は少し遊んでいたが、とにかくカネがかかるのでなかなか手は出せず、指をくわえてみているだけだった。

サイバーパンクっていったい何か?
「サイバー」という言葉が持つイメージ、超未来でなんでも機械化されたようなイメージは
なんとなくわかるのだが、そんなイメージはSFの一ジャンルを確立するようなものではない。

ちょっと思ったのは、コンピュータやネットワークが万民のものとなって、20年前とは比べ物にならないくらい性能も向上した現代より、コンピュータが登場し始めたころの粗いドットの絵や機械的な音楽のほうが、「サイバー」な感じがする。

今のコンピューターはほとんど透明なメディアとなってしまい、画像も音声も動画も、いままでのメディアをそっくりそのまま再現できてしまっているので、もはやコンピュータを使っている感覚がない。「コンピュータミュージック」という言葉はもう誰も使わない。コンピュータを使わずに音楽を作るほうが珍しいくらいだからだ。「CG」は使われているけど、「これはもはやコンピュータで描いた絵」という意味ではなく、「撮影ではなく人工的に作り出した画像」という意味でしかなくなっている。

コンピュータの性能が向上するほど、「サイバー」な感じは薄れていく。

やっと終わった。カフカ以来の、それを上回る苦痛だった。体調が悪くなったのもこいつのせいではと思える程。よくわからない。パンクというくらいだからあまり真面目にとらえないほうがいいのだろうか?
とりあえずこういう小説もあるのだと、記憶にとどめる程度にしておこう。何かのおりに思い出したらまた読み返そう。今は理解できない。

コーヒーアンドシガレッツ



movie+で。これは古いのかと思っていたが2003年のだった。
ジャームッシュ作品はテレビなどでCMをあまりやらないし上映館も少ないからだろう、気づかずにいた。

オムニバスということになるのだろうが、各断片が細かい。10個くらいあっただろうか。そしてそれぞれはほとんどストーリーらしきものがない。

見覚えのある俳優が何人か出てくる。ベニーニ、イギーポップとトムウェイツ、ビルマーレイ・・・あとフランス語を喋ってたのはゴーストドッグに出てたアイスクリーム屋じゃないか?それから息子にこづかいをせびられるのもゴーストドッグに出てなかったかな。

女のいとこ同士の売れてる女優役は、ブロークンフラワーズに出てなかったかな。

これは一人で見る映画だな。

あの女優役はケイト・ブランシェットといい、
ブロークン・・・には出ていない模様。

ジャームッシュもELVIS好きなんだな。

2007/03/31

シャイニング



movie+で観た。

映画監督として私の中で殿堂入りしているキューブリックの作品。私が彼の名を知る前に公開されたものだが、あのニコルソンが壊れたドアから顔を出して恐ろしい形相で笑っている絵は、いやというほど見た記憶がある。テレビでCMでもやったのだろうか?公開当時もかなり話題になったはずである。

そのころサスペリアだのポルターガイストだの、恐怖映画が流行って、シャイニングもそういうブームの一つだと思っていた。私はホラー映画が好きではないので、まったく興味がなかった。

彼の名を知ったのは2001年を見たときで、その後シャイニングも彼の作品であった事を知り、ジャックニコルソンという人の事も知り、スティーブンキングという人の事も知った後、ようやく見ることになった。

スティーブンキングものも流行っていたが興味がなかった。ホラー、サスペンス、SF的なものには興味がなかったので。ツインピークスとかも見ていない。
見るきっかけは、新聞のコラムで、序盤の景色がすでに怖い、みたいな事が書いてあったことだ。

1回目見たときの印象はあまりよくなかった。退屈で眠気を我慢しながら見た記憶がある。REDRUMと双子の女の子については強烈な印象があったが、それだけだった。
今回はそれから10年近くたっている。受けた印象はかなり違っているが、そんなに傑作ではない、というのは変わらない。すっきりしない最大の原因は、なぜジャックがおかしくなったのかがわからないところだ。ジャックニコルソンの演技がすごすぎて、もう最初からこいつちょっとオカシイぞという目で見てしまう。

あとはダニーがかわいいなというのと、奥さんが気持ち悪い。終盤は憎悪さえ抱き、ジャックに感情移入してしまいそうになる。雇い主に対する俺の責任を考えた事があるのか、というジャックの言い分ももっともだ、などと。

最後助けに来たハロランだっけ、があっさり殺されてしまうのも後味が悪い。
最後にオチのように写るジャックそっくりなヤツの写真も、だからなんだ、という感じ。

2007/03/16

Broken Flowers

途中までなのだが、ジャームッシュのpermanent vacationを見た。とてつもなく甘美な眠気に襲われ途中で挫折してしまった。strangerなどの乾いた感じ、枯れた感じはまだないもののただものでなさは感じられる。

vacation は最後まで見た。

そして、broken flowersを見た。

・・・・・

うかつな事はいえない映画である。
2005年カンヌグランプリだって!  (※)
知らなかった・・・。
これ、日本で公開された?されてないだろ?

DVDを買ったのだが、4935円もする。
まあいい。

まず・・・。
ゴーストドッグを見たときになんとなく感じたのだが、
この作品を見て確信した。
武とジャームッシュは友達だろ?
もしくはどっちかがパクってるだろ?
ゴーストドッグとbrother
takeshis'とbroken flowers
公開時期を調べればどっちが黒かわかる。

それはさておき、
この映画自体について語ってみよう。

これは、お笑い映画だよな?
少なくとも3回くらい上向いて笑った。
最初に笑ったのは、レーサーの写真などが飾ってあるシーン。
これは笑うところじゃなかったかも。
それから、犬がウィンストンそっくりだったところ。
これは確実に笑うところだ。
そして、名前は忘れたけど何しにきたの?とfuckという単語を交えて冷たく言われたところ。
それから・・・ラストシーン。
ドンそっくりな若造。
コントかよ!!!

これがカンヌグランプリなのか・・・(※)

amazonのレビューにわかりやすいオチとか言ってる人がいたけど、そんなことはない。
わかりやすいってまさか、そっくりなのが息子でした、って事?
そうでなきゃ、サンドイッチおごった若者が実は息子だったって事?
これはどっちでもないしどっちともとれる。
ストーリーはどうでもいい映画だ。
そもそもあんな一通の手紙から過去の女たちに会いに行くという設定に無理がある。
隣人の変なヤツにすすめられたからというのも無理がある。
その辺はもっとテキトーにやってくれた方がよかった。
なまじ撮り方がまともなだけにその辺の違和感があった。
でもそれも最初だけ。途中からはニヤニヤしながら見た。
なんだよあの過去の女の周りにいるちょいエロ女たちは。
軽い映画。軽い映画だよこんなの。

(※ Broken Flowersが受賞したのは「審査員特別グランプリ」。当時はグランプリだと勘違いしていました。)

2007/01/27

Year of the horse

stranger than paradise を観て以来ジャームッシュ作品は基本的に公開されたら劇場で観ている。ゴーストドッグが最後だけど。あの後やってるか?

これは私がめったに行かない渋谷で観た。ニールヤングのライブとインタビューを集めたものでしかない。ニールヤングは素晴らしいとは思うけど。fuckin' upは名曲だとも思ったけど。dead manのギターは素晴らしかったからね、そのお礼だったのかな。特筆することはない。
movie+。

2007/01/20

austin powers Gold Member

これもmovie+。これは公開初日に劇場で見た。
期待はずれだった記憶がある。しかしオースティンパワーズ自体は、キャラ設定とマイクマイヤーズがすばらしいいので傑作であることには間違いない。
しょうもないストーリーだが映像が美しい。ミュージカルを見ているようだ。
「ジョンソン」ネタは小学生なみのギャグだが大好き。

フルメタルジャケット

movie+で録画しておいたもの。1987年か。はじめてみたのはレンタルビデオだった。この映画は傑作だ。感動するというのではないけど、前半の鬼軍曹の罵りっぷりはすばらしい。そしてデブのキレっぷり、衝撃の結末。後半は戦争のほんの一部の小さなできことであるがそれが見事に、将棋の手順を見るように論理的に描かれる。基本は反戦的な匂いがあるけど、キューブリックのこと、そんな単純ではない。今回で3回目かな。やっぱりキューブリックはすごい。

2007/01/02

郵便配達は二度ベルを鳴らす(The Postman Always Rings Twice)

しばらく前にBS2でやったのを録画しておいたものだ。高校生の頃過激なラブシーンで話題になったのでテレビで見たがよくわからなかった記憶がある。一番気になるのは題名の意味だ。原作があって4度も映画化されているらしい。
録画した後にエロいのじゃないってことに気づいたので見てなかった。
サスペンスドラマですね。主役の女がよく描かれていたね。原作は実話にもとづいているとか。結局題名の意味はわからなかったがなんか意味があるらしいよ。

2007/01/01

未知との遭遇




テレビがつまらない。ケーブルテレビでスクールウォーズや銀河鉄道999がやっていたのでちらちらと見る。そして、「未知との遭遇」がちょうど始まるところだったので見てみた。

以前にも書いたが私はスピルバーグの映画があまり好きではない。しかし小学生の頃から彼の作品が公開されるといつも大騒ぎになっていたので、めぼしいものはたいてい見ているが。未知との遭遇は初見である。

リアリティが逆に鼻につく。神経質でできの悪い学者みたいな主人公のキャラクターも魅力を感じない。おかしくなった主人公を簡単に捨てる妻。

結局宇宙人の目的はなんだったのか。子供を強引に連れ去ったのはなぜなのか。軍人ではなく一般人とあいたいということか。また、宇宙人というのは結局人間をゆがめたものでしかない。私は宇宙人は人間でUFOは人間の乗物であると思っている。

ふと思ったのが、この宇宙船や宇宙人たちが映画そのものあるいは芸術のメタファーかもしれないということ。
あの山みたいなの作るところなんかまさに創作活動だよね。
家族に捨てられて。周りの人からはキチガイあつかい。
宇宙人との会話は音楽でおこなわれた。
宇宙人をおそれない無邪気な子供と警戒する大人たち。