2005/08/18

太宰治 「ダス・ゲマイネ」

「ダス・ゲマイネ」 (das gemeine) というのは太宰の初期の作品である。
高校生の頃読んだがあまり印象はよくなかったというか何がいいたいのかわからなかった。
太宰の作品はほとんど読んでいるのだが、いい奴、面白い奴、という好意はあってもすばらしい作品を書く優秀な作家という印象はない。

先日ふとしたきっかけでインターネットに公開されているのを見つけて読んだ。文庫本で紙に印刷された縦書きの文章を読むのとちがうしフォントもなんだか安っぽくて違和感があったがそこは割り切って読んだ。

das gemeineは、簡単に言ってしまうと「通俗でいいじゃないか」、という太宰の自己弁明であろう。もしくは、「通俗のように見えるが実はそうじゃないよ」という自己主張かもしれない。