2004/10/24

カミュ 「転落」、カフカ 「審判」

その後、カミュの転落を読んだ。この本は実は「白鯨」を読んでいる途中で、上野の古本屋の店頭に100円で売っていたのを買ったものだ。「鯨」の読みにくい訳と違って、「転落」はなめらかに頭に入ってきた。ふざけているような皮肉るような偽善的なようで毒舌的な語りがおもしろくて買ったが、とりあえず「鯨」が終わるまでと保留していたものだ。「鯨」と違って、短いせいもあるが、おもしろく読んだ。

次のターゲットはカフカだ。最近カフカという名をよく聞く。おそらく海辺のカフカのせいだろう。「審判」の岩波文庫を、これも18,9の頃に買って読んでみたがどうしても読めなかった。「変身」が有名だが、自分が芋虫になっていたなどという星新一みたいなファンタジーなど幼稚に感じてあえて「審判」を選んだ。しかし、味のないパサパサのパンかクラッカーでも食べているように退屈で抽象的でどうしても読めなかった。

しかし今は、わたしはなんとしても「審判」だけは読み通してやる、おもしろかろうがなかろうが、とにかく、あら捜しでもいいから読んでやる、という、そんな決意で読んでいる。


「審判」読み終わったよ。ほんっとにつまんなかった。こんなつまらないものよく書いたなと感心したよ。まあ、本人はこれは発表しないでくれと遺言したそうだから許してやるが。つまらない本だということが確認できた以外になんのメリットもなかった。